外壁塗装のマメ知識
ALC壁の塗り替え工法
世の中には色々な塗料が存在しますが、工法も色々あります。
特にALC壁の塗り替えは工法が色々あります。
ALCの塗り替えで弊社が考える120点満点の工法は、
①高圧洗浄、下地処理
②目地をNBウレタンコーキングで打ち替え
③シーラー塗装
④高弾性の防水塗料をマスチックローラーで2回塗り
⑤仕上げに弾性塗料2回塗り
計5回塗りです。
もちろん費用が高くなってしまいます。
金ならいくらでもある!
という方なら別ですが、
予算を考えて「省ける箇所は思い切って省く!」ということも大事だと思います。
コーキングが割れておらず、しっかりしているのであればコーキングの打ち替えはしない!
下塗りに微弾性フィラー塗って上塗りはシリコン2回塗り!
計3回塗りです。
下地の状態にもよりますが、この工法もアリだと思います。
高品質にこだわるのも大事ですが、お金はもっと大事。
費用と性能のバランスを考えた工法を選びましょう。
サイディング柄の再現工法
中塗りと上塗りは色を変えるの?
最近、塗り替えに力を入れているリフォーム会社様の中で、
『中塗りと上塗りの色を変えて塗る!』
という施工方法が流行っています。
中塗りと上塗りの色を変えることによって、上塗りの塗り忘れを無くすのが狙いです。
確かに塗り忘れも無くなり、お客様も安心することでしょう。
しかし、果たしてそれで良いのでしょうか?
弊社はあえて逆説を唱えたいと思います!
『中塗りと上塗りは同じ色で塗るべきです!』
どうしても中塗りと上塗りの色を変えて塗りたければ、中塗りしてから上塗り2回塗るべききです!
何故か?
上塗り1回ではキレイに塗れないからです。
中塗りと上塗りの色を変えて塗る!
というのはハケを持ったことのないリフォーム会社様の提案方法です。
ペンキ屋はそんなことしません!
どんな技術のある職人でも1回でキレイに塗れません!
2回塗ってこそです!
中塗りと上塗りの色が違う塗料が開発されましたが販売停止になりました。
塗料メーカーは中塗りと上塗りの色を変えてください!とは言いません。
何のために2回塗るか分かっているからです。
中塗りと上塗りの色を変えたら数年後の仕上がりがどうなるか分かっているからです。
上塗り1回では膜厚が薄すぎます。
弊社は中塗りと上塗りを同じ色で塗り重ねます!
どうしても中塗りと上塗りの色を変えてほしいのであれば
弊社は中塗りしてから上塗り2回塗り重ねます!
下塗りはシーラー?プライマー?フィラー?
下塗り塗料はシーラー、プライマー、フィラーなど色々あります。
シーラーとプライマーは名前は違えど同じものと考えていただいて問題ありません。厳密にいうと違うのでしょうけど、違いは僕も良く分かっておりません(笑)
一般的に窯業系サイディングにはシーラーを塗ります。
シーラーの役割は上塗りとの密着性の向上と吸い込み止めです。
最近は窯業系サイディング用のサーフェーサーが出てきましたが、弊社はあまり採用しておりません。
まだ全国的にも実績が乏しいので不具合が無いか少し様子を見ているところです。
フィラーはモルタル壁やALCに塗ることが多いです。
リシン、スタッコなどが吹付けてあれば確実にフィラーです。
吹付けタイルであればシーラーでも大丈夫ですが、当社はフィラーを塗るようにしています。
フィラーは密着性の向上と微細なひび割れを埋める役割があります。
その他様々な下塗り材が存在します。
下地の種類、劣化具合、上塗りとの相性などを吟味し、適切な下塗り材を選定する必要があります。
モルタル笠木の塗り替え
多彩模様塗料
パナホームの建物の改修工事
パナホームさんの建物を改修する場合の注意点はいくつかあります。
まず、塗装できない外壁材が結構あります。
塗装できない外壁材に塗ってしまうと塗膜の剥がれにつながりますので、間違って塗装しないようにしないといけません。
次に、新築時サッシ廻りにコーキングが見えてない場合があります。
こういった箇所はコーキング不要かと思われがちですが違います。、コーキングを打つ必要があります。下端は水の逃げ道のためコーキングしたら駄目なのですが、残り三方はコーキングしましょう。板間は施工してもサッシ廻りは施工しない業者がいますので確認が必要です。
最後に煙突。
パナホームさんの煙突は結構劣化します。外壁の塗り替え時期である10~15年後にはボロボロに劣化している可能性があります。その際は塗装ではなく張り替えかもしくは板金カバーで補修しましょう。
ダイワハウスの建物の改修工事
ダイワハウスさんの外壁には、年代によって溶剤一液アクリルで塗装されています。
この塗料にはやっかいな点がありまして、上から塗料を塗ると熱によるふくれが起こってしまう可能性があるということです。
これはダイワハウスさんに限らず、溶剤一液アクリルで塗装されてあるすべての建物で当てはまることで、古めのマンションでは結構塗られてあります。
根本的な解決方法は塗膜を剥がすことですが、しっかり塗膜を剥がすとなると莫大な費用がかかってしまいます。
そのため、弊社でどういう対応をさせていただいているかというと、
①カチオンフィラーを塗布(コーキングの上には塗らないようにする)
②カチオンシーラーを塗布
③熱吸収の少ない薄い色(明度80以上)で上塗り
という工程で施工してます。
上塗りを遮熱塗料にすればなお良いかもしれません。
ただこれでもふくれてしまう可能性は大いにあります。塗膜を剥離しない限り、100%大丈夫とは言えません。
このことを知らない施工店は多いと思います。気を付けてください。